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1.天国からの訪問者

人生には出会いもあれば別れもあります。あの人に再会してみたいと思っていても、どうしても会う事が出来ない場合があります。それは死別をしてしまった方。貴方は死別をしてしまった大切な女性にもう一度会ってみたいと思いませんか?女装はその願いをかなえる事が出来る方法の一つです。

もう一度あってみたい大切な女性、先ずはお母様です。私が長年女装のお手伝いをしている中で、お母様との再会シーンに立ち会うことがままあります。男性として生まれてきても、母の血、遺伝子が受け継がれていますから、女性に変身するとお母様の面影が現れます。若い方の場合、姉妹の顔に似ているとおっしゃる方が多いのですが、ご年配の方の場合には亡き母の顔に似ていると涙を流される方もいらっしゃいます。そう、鏡の向こうからにっこりとお母様が微笑んでいるのです。

年配の女装っ子さんには無くされたパートナー(アルテミスでは配偶者をパートナーとお呼びします)の衣装を持参されて「妻のようになりたい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。遺伝子は別ですから顔の面影が重なる事はありませんが、思い出のお衣装を身にまとって変身する事で、あの時の二人のきらきらとした記憶がよみがえり再会をしたような気持ちになるのです。 人間の脳は今まで経験してきた出来事を全て記憶しているといいます。その方の笑顔・仕草・言葉・・・記憶をしているのに思い出せないのです。思い出すためには、その方に直接会うのが一番のですがそれは出来ません。女装は記憶の扉を開くための鍵です。鏡に映ったご自身の姿からそのときの情景が色鮮やかに目覚めるのです。

鏡に映った女性はもちろん本人(母やパートナー)ではありません。女装をした貴方自身です。しかし、鏡に映った姿を見て涙を流されるその時は、貴方と大切な方とが再会した瞬間に違いないと思います。

この世とあの世の掛け橋、女装はそんな不思議な体験を可能にしてくれます。